「インターネットで広尾を知って救われた。Eメールでの相談に応じます」
レポートNo.36

中村佐保子(27才)
●間もなく術後1年
昨年の7月13日に、斎藤先生に子宮筋腫の手術をしていただきました。摘出した筋腫1,300グラムに子宮内膜ポリープ5グラム。大きな子宮筋腫でしたが、元気に術後1年を迎えています。

子宮筋腫は中高年の女性の病気と思われがちですが、決してそうではありません。20代でも私のように大きな筋腫ができてしまうことは、広尾を訪れたこれまでの患者さんの例からも珍しいことではないのです。

大きくなってしまった子宮筋腫の場合、その治療法は全摘手術が一般的です。年齢や子供の有無にかかわらず大部分の病院では全摘が行われていますが、もし、それしか方法がないのだとしたら、私のような若い患者はどのようにして術後の長い人生を生きていったらよいのでしょうか。おそらく自分の将来に希望を見いだせず、鬱々とした思いで暮らすことになるでしょう。

私はインターネットで広尾を知り、全摘手術を免れることができました。広尾のホームページでいろいろな情報を得たことで、あまり悲観的にならずに自分の病気と向き合うことができました。インターネットをやっていてよかった、とつくづく思います。

以下に私の体験談をお話しますが、お読みになって何か質問などありましたら、Eメールでご連絡ください。
メールアドレスはsahoko77@yahoo.co.jp です。インターネットを介して救われた者として、皆さんのお役に立てれば幸いです。


●献血に行ってわかった貧血
忙しかった仕事が一段落して献血に行ったところ、「貧血がかなりひどいから一度診てもらったほうがいい」と言われました。もちろん、そういう状態では献血はできません。

忙しかったから、そのせいかなあ…と思いながらも近所の産婦人科に行ったのは、生理のことが気になっていたからです。中学生の頃から生理の出血量が多かったのですが、それがますますひどくなって、お腹が張るような感じもあったので、どうも生理と関係がありそうな気がしたのです。

近所の産婦人科の医院で子宮筋腫であることはすぐにわかりましたが、私の年齢が若いこと、そして筋腫が大きいことを心配した開業医は、大きな病院へ行くことを勧めました。

次に行った病院はやはり家の近くの中規模のK病院です。ここでMRIの検査を受け、筋腫が相当大きなものであることが確認されました。婦人科の女医さんはとても親身に診てくれましたが、筋腫が大きいこと、浸潤が見られて肉腫の疑いがあることなどから全摘を勧められました。


●大学病院では「即入院。そして全摘」
子宮筋腫であることがわかって、J医大の婦人科の医局に勤めている友人に相談したところ、「一度、うちの病院でも診てもらったら」ということになりました。J医大は日本でも有数の大学病院です。

K病院の女医さんに、「大学病院でも診てもらいたいので」と話すと、快くMRIのコピーを出してくださいました。病院によってはMRIなどの検査データのコピーを出したがらないところも多いと聞きますが、K病院はこの点でもとても親切でした。

MRI のコピーを持ってJ医大に行きました。ここでは診察する医師の後ろに若手の医師が控えていて診断結果をカルテに書き込むのですが、私を診てくれた医師は「アダルト・ヘッド大」と若い医師に告げました。それが筋腫の大きさを意味していることはすぐにわかりました。

そして、私には「すぐに入院の手続きをしてください。全摘手術をすることになります」と、入院手続きの窓口に回るよう指示しました。

「全摘」という言葉にショックを受け、言われた通りにいったんは入院の手続きに向かったものの、「ここで手術することを決めちゃダメだ」と思い直して診察室に引き返し、「もう1カ所行ってみたい病院があるので、すみませんがMRIのコピーを返してください」と申し出ました。


●いよいよとなれば広尾がある…
もう1カ所行ってみたい病院、それは広尾メディカルクリニックでした。K病院に通っている時もJ医大に足を運んだ時も、頭の片隅にはいつも広尾のことがありました。

近所の開業医で最初に子宮筋腫がわかった時にインターネットで検索して広尾のことを知って以来、広尾は「最後の砦」のような感じで心の中から消えることはありませんでした。いよいよとなったら広尾がある…、そういう気持ちがあったからこそ、J医大で医師の言うままにならずに引き返すことができたのだと思います。

広尾のホームページの体験談レポートに登場しているのは、いずれも重症の子宮筋腫や子宮腺筋症の患者さんばかりです。私以上に大きな筋腫の方もいます。

それなのに、斎藤先生の手術によって皆さん病気を克服され、しかも子宮がちゃんと残っている。この事実を知っていたからこそ、自分の症状を冷静に受け止めることができたし、J医大での手術を拒否することができたのだと思っています。

巡り合わせというのは不思議なもので、インターネットで広尾を知った後に、友人のところへ遊びに行ってたまたま立ち寄った本屋で、先生の本『子宮をのこしたい』を見つけました。アッ、あのホームページに載っていた本だ、とすぐに買いましたが、今は書店に並んでいることはめったにないといわれるこの本と郊外の私鉄駅の本屋で出会ったということにもご縁を感じています。


●先生の説明に母も納得
「こんな大きな筋腫だもの、いろいろと自覚症状があったでしょう」と聞かれることがありますが、生理の時の出血が多いということ以外、それほど強い自覚症状はありませんでした。生理痛もほとんどなかったし、便秘や頻尿などもなかった。だから気づかないうちに大きくなってしまった、ということもできます。

強いて言えば、お腹が固いなあ、ということでしょうか。自分のお腹をさわって、次に母のお腹をさわってみると、その感触が全然違うのです。1,300グラムもの筋腫ができていたのですから固いのは当然なのですが、その事実をMRIの画像で見た時には「これはただごとじゃない。一刻も早く解決したい」と思いました。

広尾で手術したいと両親に話し、広尾での初診日には母が同行してくれました。K病院からもらったMRIのコピーを持参しましたので、その場で斎藤先生に見ていただくことができ、「大丈夫。筋腫もとれるし、子宮も残せるよ」と言っていただきました。ほかの患者さんのMRIも見せていただきながらの手術の説明に母も納得して、一番早い手術日に予約を入れました。それが1年前の7月13日だったのです。

あれから1年。今では病気だったことさえ忘れているような毎日ですが、術後1年を迎えて、改めて子宮を失わずに元気に日々を過ごせる幸せを感じています。
術前(pre-ope)
のMRI
術後(post-ope)
3ヶ月のMRI
術前のMRI 術後のMRI
適出物
摘出物 摘出物


術 前(pre ope) 術 後(post ope)
赤血球(RBC)5.5524
血色素(Hb)(g/dl)13.414.6
ヘマトクリット(Ht)(%)40.244.9
備考
●切開部:横切開、14cm
●術中出血量:586ml
●摘出物 :
  子宮筋腫                1,300gm
  内膜ポリープ(polyp)         5gm
●病理:全て良性
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以前他医で血色素(Hb)6.6


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