「殆ど無症状だった私の場合」
レポートNo.56

E.Y.(49才)
●健康診断で筋腫を発見
体験記を書かれた方の多くが、生理にともなう激烈な症状を経験され、最後に広尾での手術という 経過をたどられているようですが、私の場合は子宮筋腫の存在を指摘されてはいたものの、これといった自覚症状はありませんでした。生理の量は始まって2日目に注意をはらえば、特に問題なし。貧血もなくヘモグロビンの値は一時、標準値の最大を超える値でした。頭痛・腰痛・肩こりなし。血色のよさは他人が褒めてくれる数少ないポイントのひとつでした。しいて言えばお小水が多少、近いかなと思われたこと。お腹が出ていてスニーカーの紐をむすぶのがとても大変だったことでしょうか。こんな私ですが皆様のご参考までに、広尾での手術を決める迄の経過をお知らせします。

海外勤務者に対する手厚い会社の健康診断のおかげで、一次帰国の際に行われたMRI検査の結果、子宮筋腫が腹腔のかなりを占めるまで大きくなっていることがわかりました。3年3ヶ月の勤務を終え本帰国した後に、会社の嘱託医から婦人科での専門的検査を勧められました。女医の診断を希望したところ、T女子医大第二病院の教授への紹介状を持たせてくれました。休暇をとって、そのT女子医大第二病院へ出向いたところ、女性教授の診察室へ入る前の待合室に民放のテレビ番組に出演した時の写真が大きく引き伸ばされ、額にいれて飾ってあるのを見て一瞬、「ちょっと違うんじゃないかな〜」と嫌な予感がしました。

嫌な予感はあたりました。まさに皆様が体験談で述べられているとおり、患者自身の個々の事情に まったく頓着せず、事務的に子宮の全摘出を告げられ、手術日の予約を勧められたのです。突然、自分の臓器の摘出を宣言され、まごついている私に対して、何ら人間的な配慮のある言葉もなく、筋腫の大きさと患者の年齢から当然といった物言いでした。そしてその女性教授は、さらに質問しようとする私をさえぎって、「次の方を呼んでください」とカルテから目をはなさず看護婦に告げ、次の患者を呼ばせました。患者への配慮のなさ以前に、人間として失礼な人だなと思いました。


●厄介物を21世紀には持ち越さない決心
女性の健康に重要な枠割をはたすホルモンに関係する子宮を盲腸のように簡単に摘出していいわけがないと漠然と思っていましたので、年齢と筋腫の大きさのみで子宮の摘出が簡単に宣告される現実に直面してとても当惑しました。病院からの帰りに図書館により、斎藤先生のご本も含めて子宮 筋腫に関する本をすべて借りてきました。その後に読んだ本も含め10冊以上読んだ結果、筋腫に関してはひとかどの知識を持つようになりました。その後、広尾のWEBサイトも見つけました。

筋腫が小さければ、そのまま閉経まで滑り込むという選択もあると思いますが、私の場合は筋腫が 赤ちゃんの頭大(たしか直径10センチ)といわれていて、既に膀胱が多少、圧迫されていること がレントゲンで確認されていました。頻尿はまだしも、お小水がでなくなり70歳や80歳になって開腹手術を余儀なくされることはぜひとも避けたいと思っていました。21世紀までこの厄介物を持 ち越さない、20世紀中にどうにか決着をつけようと、気持ちが少しずつかたまっていきました。


●自分の納得のいく選択
斎藤先生独自の技術の確かさはご著書やこのWEBサイトの体験談を読むことにより確信するに至りました。しかし、全摘手術を受ければ子宮ガンの心配のなくなること、広尾での手術にはは保険が適用されず費用が高額であることなど、子宮温存手術を決心するまでに多少の気持ちの揺れはありました。結局卵巣だけ残して、子宮を全摘するという平衡を欠いた状態がもたらす私の心身への悪影響と、子宮ガンのリスクを残すことの両方を天秤にかけ、自分の納得のいく、そして後悔しない手術方法を選んだ結果、斎藤先生に手術をお願いすることにしました。

2000年7月10日に手術を受け、その後の回復は順調で、入院とその後の自宅療養を含め2週間の休暇をとっただけで7月24日には仕事に復帰できました。心配していました通勤も問題なく1ケ月後といわれていた自転車にも退院した翌週の金曜日には乗っていました。

斎藤先生の人間国宝級の技術が斎藤先生一代で終わってしまうのは、全女性にとって大きな損失です。今後は後継者の育成についても先生のパワーを傾けていただき、二代目斎藤流一匹狼が複数、養成され、子宮を残したい多くの女性の願いが末永くかなえられることを希望しています。
術前(pre-ope)のMRI 摘出物
術前のMRI 摘出物
術後の保存子宮
術後の保存子宮


術 前(pre ope)
赤血球(RBC)476
血色素(Hb)(g/dl)14.9
ヘマトクリット(Ht)44.8
CA-12527
備考
●摘出物: 360.1
●病理:leiomyoma
	endomelrial polype      


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HIROO MEDICAL CLINIC