「症状がないのに筋腫があると診断されびっくりしました」
レポートNo.60

井上恵美(46才)
●症状はなかったのに
今から12,3年前に初めて子宮ガン検診を受けたときに、「握りこぶし大の筋腫がある」といわれました。生理痛もひどくなく、出血量も多くない私は、それを聞いたときには、びっくりしました。

その後、毎年一回の検査のたびに、「かなり大きくなっているので、いろいろな弊害が出てきたら,そのときは,全摘手術になるね。」といわれてきました。私としては、子供を産む計画がないのなら、子宮を残しても無駄だから、取ってしまえばいいという発想が、なにかとても乱暴なことに思え全摘手術は、絶対に嫌でした。どの先生も全摘手術について、とても軽く考えているような印象を受けました。

スプレキュア治療も試みましたけれど、その場しのぎの治療で、副作用もあるし、最初から納得できなかったので、2,3回で辞めました。筋腫が小さくなるという漢方の本等も読みましたが、「効く人には、効く」というような、あてにならない薬に高額な費用をかける気になりませんでした。


●悩んでいるときに出会ったホームページ
そうこうしているうちに、筋腫は、どんどん大きくなり仰向けに寝てもお腹がボッコリ出るようになり、触ると硬い固まりがいくつもあるのが、分かるようになりました。 食事をするとお腹がすぐにとても苦しくなり、ガスもたまるようになりました。便秘もひどくなりました。

丁度、その頃に親友が全摘手術を受けることになり、私もいよいよ全摘かなと思い始めるようなりました。でも、なかなか決心がつかず悩んでいるときに、インターネットで「子宮筋腫」を検索したら、このホームページに出会えたのです。

全摘しないで、子宮筋腫をひとつひとつレーザーで摘出する手術法だということ、先生の優しそうなお顔、沢山の体験談、それに病室が日本の病院には珍しく、個室で、それぞれに化粧室もついているし心地よさそう!このホームページを見つけた時は、本当に嬉しかったです。


●手術を決めるまで・・
2月に友人と斎藤先生にお会いするために、クリニックを訪れました。ホームページにある通り、病院は、温かみのある雰囲気で、先生は、ゆっくりお話しを聞いてくださるし、ここだったら、そしてこの先生だったら安心して、おまかせできるなという確信を深めました。

ただ、自費ですので、かなりの費用がかかる為、最終的に決心して、手術の予約をいれるのに、更に3ヶ月かかりました。

6月26日が手術日と決まり,その2週間前にクリニック近くの佐々木病院で、MRI検査、CT検査、血液検査などを行いました。そして、クリニックにその足で検査結果を持っていき、写真を見ながら,先生のお話しを伺いました。

ちょうど、2階のサロンにいらした、入院中の患者さん達にも体験談を直接お伺いすることが出来ました。


●手術中ドラマチックな気分になりました
手術当日朝9:00に入院。私は、3人の患者さんのなかで、一番最後でしたので、看護婦さんに呼ばれる15:30まで、ずっと飲まず食わずのまま、病室でテレビをみたり、本を読んだりして過ごしました。ようやく看護婦さんに呼ばれて手術室に歩いていきました。細長い手術台にのぼって、背中に麻酔注射をされるとき、とても怖かったです。お腹を切られるときに麻酔が効いていなくて、痛かったららどうしようとか、想像たくましくいろいろな事が頭を駆け巡っている間に準備が終わり、先生が手術室に入っていらっしゃいました。

手術が始まると(どうやら始まったらしいという感じ。)両側から音楽が聞こえ、何かドラマチックな気分になりました。下半身だけ麻酔が効いているので、かなり意識は、はっきりしています。こんなに緊張していて、最後まで耐えられるのかとても心配でした。

後半一時間位は、歯の根があわないくらい、寒くて震えたのをおぼえています。手術時間は、3時間でした。


●病院生活が楽しくなってきたころに退院でした
部屋にもどってからは、吐き気がひどかったです。麻酔が切れたら,きっとものすごく痛いだろうなと覚悟していたのですが、思っていた程じゃなくて、それより、お腹の管や、脊椎に入っている麻酔の針、腕の点滴、尿をとる管などで、体ががんじがらめで動けないのと、喉がカラカラなのがつらくて、その夜は、あまり眠れませんでした。

翌日先生が私の筋腫の入った袋を見せて下さいました。1,370gというすごい量でした。

次の日から点滴以外は、管がつぎつぎとはずされ、身軽になり、トイレにも自力でいけるようになりました。お腹の傷は、動くと痛いけれど何より自分で少しづつでも動けるようになるのが、嬉しかったです。

なにしろ6日目には退院ですから、のんびり寝てもいられません。出来るだけ普通に歩けるよう、廊下を往復したり、2階のサロンまで、階段を登ったり降りたり歩く練習をしました。
他の患者さんのお部屋を訪ねたり,外来でいらした方のインタヴュー(?)に答えたりと、病院生活が楽しくなってきたころもう退院です。

私は、友人2人に迎えにきてもらい、東京の自宅まで送ってもらうことになっていたのですが、電車に乗ったり,駅の階段を登り降りするのは、少々不安でした。土曜日の朝お部屋で、宅急便で送るものなどを箱に詰め用意していると、先生がお部屋にいらして、 「これから東京の自宅に帰るから、車で送ってあげるよ。」という嬉しいお言葉!に甘え、もう一人の患者さんと一緒に先生の車で自宅まで送って頂きました。丁度アメリカにお住まいの息子さんご夫妻もご一緒で、息子さんには、玄関まで荷物を運んでいただきました。


●エネルギーがみなぎっている感じ
帰宅して4日目の午後くらいから、じっとしていることにすっかり飽きてしまって、友人を誘って食事にいったり、バーゲンにいったりと、日に日に元気になりました。

6日目には、美容院に行き、7日目からは、出社しました。歩き方が少し遅いくらいで、とても2週間前に手術したとは思えない程、めきめき元気になりました。 周りからは、予後が大事だから、あまり無理しないほうが良いよ。と心配されるくらいエネルギーがみなぎってきて、じっとしていられませんでした。

今までボッコリ出ていたお腹は、すっかりペチャンコになり、やわらかいし、便秘もしなくなり、快適です。せっかく筋腫分の体重が減ってお腹がスマートになったので、今度は脂肪がついてお腹が出ないよう、気をつけています。

10月に術後のMRI検査結果を持って、斎藤先生にお会いしました。 今まで、子宮でうめつくされていた感じのお腹が今度は、子宮も元の大きさにもどり、他の臓器も見えるようになりましたので、普通に戻ったと実感しました。

時々、先生にお土産に頂いた '想い出のアルバム'(術前、術後の写真や検査データ、手術中の記録などがファイルになったもの)のページを繰って、いかにすごいものを抱えて生きてきたかを改めて実感し、ほんとに先生に手術して頂いてよかったとしみじみ思います。

先生そして入院中きめ細かくお世話していただいた看護婦さん達、ありがとうございました。
術前(pre-ope)
のMRI
術後(post-ope)
のMRI
術前のMRI1 術後のMRI1
術前のMRI2 術後のMRI2

摘出物
摘出物

術 前(pre ope) 術 後(post ope)
赤血球(RBC)420490
血色素(Hb)(g/dl)13.114.0
ヘマトクリット(Ht)37.441.7
備考
●摘出物: 1370g
  病 理:平滑筋腫(leiomyoma)

術前ホルモン剤で生理をコントロールしているので
血液の状態は良好      


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