「妊娠は治療になる」という考え方がいまだにあるようですが、内膜症などの疾患があれば妊娠自体が難しく、妊娠しても治癒しません。また、治療のために「妊娠する」ことは、一般的に妥当な治療方法とは言えません。内膜症や筋腫は、エストロゲン依存性疾患とも言われています。確かにエストロゲンは内膜症が成立するための必要条件の一つではありますが決定的なものではありませんし、筋腫ほど単純反応でもありません。
一方、筋腫は妊娠中に、大きくなることから、エストロゲンよりはむしろプロゲステロンの影響があるのではないかといわれています。残念ながら、未だにエストロゲンやプロゲステロンが筋腫の増殖にどのように関わっているか解明されていません。どちらにしても、内膜症と筋腫はまったく違うものですから同じように論じられることは間違いです。
ホルモン剤の投与という考え方も効果に疑問があります。ピルによって内膜症が完治したり、筋腫がなくなったりすることはありません。ホルモン剤の投与は、効果がある人にとっても時間稼ぎにしかならないのです。子宮全摘手術までの・・・。このことを処方前にきちんと説明してくれる医師は少ないようです。 |