子宮筋腫
「子宮を治したらすぐ妊娠。不妊治療より有効だった斎藤先生の手術」
レポートNo.94

小林伊都子(27才)
●全摘かホルモン療法か?
家族そろって?V97年の春、会社の健康診断でちょっと胃の調子が悪かったので腹部のエコーをしてもらっていました。「じゃあついでに」という感じで、下腹部もエコーで診てもらったところ、「あれ?筋腫があるようですね。大した大きさじゃないけど・・。まぁ子供を産む時に気を付ければ大丈夫と思います」と軽いコメント。

私は筋腫持ちでありながら、生理痛や出血過多などの自覚症状がまったく無く、いたって元気に過ごせていたし、この健康診断の先生も軽い感じでおっしゃっていたので、筋腫があっても大したことは無かろう、と軽く考えていました。

この年の秋、結婚。更に半年ほど経って、そろそろ子供が欲しいと考えるようになりました。その時「子供を産む時は・・」と言われた事を思い出し、相変わらず自覚症状はまったくありませんでしたが、子供を作る前に検査しておこうと思い、近所の婦人科に行ってみました。

すると「手術なら全摘しかない。子宮を残したいならホルモン療法しかない」と、いきなりショックな診断が下りました。まだ20代、しかもこれから子供を・・という時に子宮の全摘なんてとんでもない。子宮を残したいならホルモン療法しかない、と言われればその治療を受けるしかないではないですか。仕方なく月1回注射するタイプのホルモン剤でホルモン療法を始めました。


●屈辱的な不妊治療に不信感が・・
ホルモン療法を始めて1ヶ月あまり。そろそろ次の注射だという頃に、急に顔が火照って汗がダーーッと出たり、変な頭痛がしたりと、明らかにホルモン剤の副作用と思われる症状が現れ始めました。

かなり辛い思いをしたものの、子宮を摘出されてしまうよりは・・とガマンして、何とか1クール続け、筋腫は5cmから3cmほどに小さくなったようでした。

するとその婦人科で、「筋腫が小さくなったからすぐ子供を作れ」と言われました。基礎体温をつけ排卵誘発剤を注射され、膣内視鏡で卵巣の様子を見て排卵されそうな卵子があるかどうかチェックされて、排卵されそうな卵子があったら「今日、して下さい」と指示があります。私は機械でも種付けされる動物でもなく「人間」です。なのに「子供を授かりたい」というだけでこんな扱いを受けなくてはならないのでしょうか?

おまけにこのクリニックは診察室に机が2つあるのですが、その間の仕切りは無く、隣の話が丸見え・丸聞こえ。それにそのすぐ後ろでは、診察が近づいている患者さんが長椅子で3〜4人も待っていて、その人たちにも診察中の話は全て筒抜けという、プライバシーの「プ」の字もありません。そんなクリニックに診察に行くのは、本当に気が重かったのです。

そうは思ったものの、近所には婦人科はこのクリニックしかなく、4〜5ヶ月もこのような不妊治療モドキを続けたでしょうか。あまりにも妊娠しないので、フーナーテストを受けましたが、その頃には「ここまでやってるのに妊娠できないのはなぜ?」という強い不信感が育っていたので、テストの結果は聞きにいきませんでした。


●「不妊治療」より「筋腫の治療」を選択
選んだ病院が悪かったのかもしれませんが、不妊治療に対してちょっと否定的な印象を持ってしまい、筋腫があることも含めてじっくり考えてみようと思いました。

子宮の全摘出は絶対イヤ。子供が欲しいのにその可能性がゼロになってしまうのですから。そして無事妊娠できたとしても、流産などのアクシデントも困ります。腹部を強打するような事故の場合は仕方ないにしても、子宮にトラブルを抱えていることが原因で起こるよう流産は避けたい。

そして行き着いた考えは「キレイな不安の無い子宮で、安心して妊娠したい」でした。インターネットで筋腫の治療について調べたら、すぐに広尾メディカルクリニックがヒットしました。検索結果の上位にあるので、見に来る人が多い証拠です。体験談や色々な説明を読み進むうちに、健康に妊娠するためには、やっぱり筋腫だけを摘出できる治療を受けないと・・と思うようになり、?V99年2月に広尾MCで初診を受けました。

斎藤先生は「筋腫だけ取れますよ。そうして欲しくて来たんでしょう?」と、“筋腫だけ取るのはまったく当たり前”という口ぶりでした。私がかかっていた婦人科とは雲泥の違いです。先生の自信溢れる言葉に安心して、私は独断で手術を受けると決めて予約をお願いしていました。

子供を産めるなら保険が適応しない手術費用でも決して高額ではありません。子宮を取ってしまったら取り返しがつかないけれど、お金なら自分が働けば何とかなるのですから。その時すでに手術は3ヶ月待ちの状態でした。当時は3ヶ月待ちでも早い方だったのですが、正直、「そんなに待つの?」と驚いてしまいました。


●術後8ヶ月で待望の妊娠!
baby幸い、私は筋腫もそれほど大きくなく辛い自覚症状もありませんでしたので、3ヶ月待つことは苦痛ではありませんでした。そして?V99年5月に手術を受け、痛がりの私ですが何とか術後の痛みもガマンして入院生活を過ごしました。

術後の経過はいたって順調で、退院2週間後には職場に復帰していました。職場では私が手術のために休むことは限られた人にしか知らせていませんでしたので、そうとは知らないパートさん達から「海外旅行にでも行ってたの?」と言われたくらい、まったく普通に元気でした。

そして半年後の11月、術後検診で「もう妊娠してもいいよ」と、待望のGOサインです。?V00年2月、そろそろ妊娠しようかな〜と思っていた矢先にすぐ妊娠!なんという早さ!もちろん子供を授かった事は嬉しかったのですが、あまりにもさっさと妊娠できてしまったのにはビックリしました。とともに、あの近所のクリニックで何ヶ月も続けた治療は一体何だったのか、腹立たしくも思いました。

妊娠はまったく順調で、お腹の子供は本当に何事も無くスクスクと育ってくれました。そして10月、実家近くの市民病院で里帰り出産。妊娠38週で予定帝王切開でした。妊娠は、近所で新しく開業した産婦人科で診てもらっていましたが、子宮を手術してあるので何か起こった場合に対応できる設備があった方が良いとの判断で、総合的に設備のある市民病院を薦められました。

私は開腹手術や入院は広尾MCが初めてだったので、看護婦さんはみんな優しくまめまめしくお世話してくれるものだと思っていたら、市民病院では氷枕やお薬を頼んでも忘れられたりして、けっこう寂しい思いをしてしまいました。大きい病院は看護婦さんも忙しくて、なかなか行き届いたお世話はできないのだなぁと感じたものでした。

生まれたのは2,850gの男の子。母子ともに健康。子供を見たときは本当に「幸せ」を感じました。帝王切開はちょっと痛かったですが・・。

現在、子供は1歳半。外遊びが大好きで、色白なお肌が日焼けしてすっかり小麦色。親子でベビースイミングやリトミック教室に通い、人見知りもしない元気な子に育ってくれています。

そして産後1年経って婦人科検診を受けたところ、筋腫の再発も無く、キレイな子宮のままでした。これは本当にすごいことだと思います。なぜなら、私の職場の友人が筋腫を大学病院で手術したけれど、あっという間に再発したからです。

その人に広尾MCの事を教えてあげたかったけれど、本人が尋ねに来ないのに私から言うのも差し出がましく失礼な気がして、言えないままでした。尋ねにくい事かも知れないけれど、私は訊いて欲しかった。そうすれば“手術記録”のファイルを見せて、いくらでも説明したのに・・と思います。

子供が無事生まれたこと、筋腫が再発していないこと、斎藤先生の技術なくしてはありえないことです。夫や私の家族も心から感謝しています。これからも悩める女性のために、斎藤先生にはお元気でいていただきたいと、心から願います。

私はイヤな婦人科にかかったお陰で広尾MCを知り、手術まで踏み切る事ができました。そういう意味ではあのイヤな婦人科にも感謝するべきなのかも知れません。そして、おそらくこれから筋腫とは無縁の生活を送るでしょう。ひょっとしたら数年後には二児・三児の母になっているかもしれません。

不妊で悩む方がこの体験談をご覧になり、ほんの少しでも、子宮の病気を治して妊娠するための足掛かりして下されば幸いに思います。

術 前(Pre-OP)のMRI
術前のMRI1 術前のMRI2
術前のMRI3 術前のMRI4

術 後(Post-OP)のMRI
術後のMRI1 術後のMRI2
術後のMRI3 術後のMRI4

摘出物
摘出物 摘出物2 摘出物3
術後の保存子宮
術後の保存子宮

  術前(Pre-OP) 術後(Post-OP)
赤血球(RBC) 429 420
血色素(Hb) 13.4 12.4
ヘマトクリット(Ht) 39.0 36.4
CA-125 12 -
備 考 *妊娠希望で不妊治療リュープリン治療、周期不順
*術後妊娠出産



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