「婦人科の病気を勉強すれば、女性の謎が少しは解けるかもしれません」
レポートNo.7

彼女が筋腫と診断され子宮の全摘を勧められた時、もちろん驚かれたと思いますが、どんなお気持ちでしたか?

妻から筋腫に関して告げられた後、私も子宮や卵巣などの女性特有の臓器やホルモンの働き、そしてその病気について多少勉強しました。彼女から色々な治療法について聞かされたけれど、簡単には理解できなかったので。彼女が広尾メディカルクリニックを見つけて来た時は、高額な治療費や地元であるカナダで治療を受けられないことはさて置き、彼女の子宮を残したいという意志を第一に尊重しました。


斎藤先生と色々お話されたと思いますが、印象深かった出来事や話題などがありましたら教えてください。

斎藤先生は、直接診察を受けた彼女が「この人になら手術を受けたい」と思えたという人物なので、それなら彼女を任せても大丈夫であろうと判断しました。幸運にも留学中の大学院が休みだったので、手術に立ち会う事ができました。手術中、先生に呼ばれて妻の子宮を見せられた時は驚いたが、「活きの良い子宮だから大丈夫」と先生に誉められたことを覚えています。今、妻は妊娠中ですが、先生の一言で私はあまり心配していません。手術直後の1―2日は妻は眠りっぱなしで、私ができることは何も無く、斎藤先生と雑談することもありました。ほとんど世間話でしたが、先生のあらゆる分野に対する好奇心の強さと知識の深さに驚いたことを覚えています。


カナダと日本の違いというようなものがあれば教えてください。


日本と同じくカナダも小子化問題を抱えていますが、カナダ政府は日本より積極的に問題に取り組んでいるようですね。例えば、企業は妊娠休暇明けの社員に対し、妊娠前のポジションを与えることを義務づけられています。従って女性はキャリアを損なう心配が無く妊娠ができるわけです。ナニーを雇うことも一般的なので約一年の妊娠休暇が終われば速やかに職場復帰ができるわけです。逆にカナダの問題は医療保険システムがほとんど財政的に破綻していて、医療器具が古かったり、病院のサービスの質が低いことですね。ちょっとした怪我なら良いのですが、手術するならカナダの病院は正直不安です。


最後に(手術を受ける女性の)旦那様やボーイフレンドに対するアドバイスを。


子宮と聞くと大抵の男性は尻込みしますが(私もそうでした)、これを機会に病気に関する薄い本の一冊でも読んでみては、と思います。相手の苦しみも多少理解できるし、子宮に関する抵抗感が薄れれば、その後の妊娠・出産に関する本も読めるようになります。(読むと我々男性陣にとって悩みの種である「女性の謎」の一端が理解できたように感じました)

世間ではブランドが物を言います。ブランド力の高い商品はそれなりの品質を備えているのが普通だからです。しかし医者の技術と病院のブランドはこの常識が当てはまらないのではないかと、私は考えています。有名病院だからといって素直に信用せず、無名病院だからといって無闇に疑うことなく、病院選びをすべきだと思います。どこかで読んだのですが、年間200ケース以上手術をこなさないと外科医の技術は維持できないそうです。その意味でも斎藤先生のような経験深い専門家に手術をお願いできたことは、幸運だと考えています。

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